「ねこ・覚えていますか?」
人を信用している猫だった、変わった猫だった
一度だけ 無条件で 猫にモテた事がある
アルバイト、新聞配達のプレハブの入り口
その子猫は ニャァとなくなり
すり寄ってくるのであったが
これがどんなに貴重な事だか
猫と暮らしたことのなかった
あの日の僕は気づく事もなくその子を遠ざけた
それ以降 他の猫と会っても暮らしても
お母さんだと 思い込む ヒヨコのように
寄ってくる猫は 一度として ない事を思い出す。
変わった子猫だった・・・許して欲しい。
そして 抱きしめて 君と 暮らせるのなら・・・。
人を疑わぬ 君の愛に 僕の胸の鼓動が加速する
ねこ・覚えていますか?