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詩説「44の夜」
電球が 消えた 片方の蛍光ランプ
替えの 電球を 持たぬことに
何も考えず この詩を書いている
テレビからは 音楽番組が
外はもう 夜の口 子供たちの声も 聞こえない
ボクは 寂しくない
メロディが 浮かぶ時って
詩が 走る時って
いつも 突然で この詩を走らせている
ひとつしかない 電球が
寂しそに 部屋を 照らしている
ボクは 文才のない 自分に
嫌気がさす こともなく
ただ 自分の描く この詩を
あの日の自分を 見る
17歳の地図のように
気がつけば 44の夜 を
迎えていることに気がついた

味気のない バースデーケーキに
ローソクは もう 必要がなかった
愛 夢 語る若さは もう過ぎ
ただ 日々に 溶け込む 自分の人生が
寂しそに 輝くあの日と
消えた 片方の蛍光ランプのように
必要のない 人生の明かりが たたずみながら
15の夜よりも 44の夜に
タバコはふかさずに 走り出すには
盗んだバイクは 必要がないことに
安堵と 寂しさを感じながら
部屋の明かりに もう一つの電球を
空いたソケットに つけると
ボクはこの詩を 書き上げていた
この詩に ボクは「44の夜」と名付けた。
そして
今夜ぼくは 自分が大人になり
失われた 思春期に 明かりを灯しながら
タバコに 火をつけていた。
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