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詩説「夏の夜に」

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詩説「夏の夜に

終わりなき レール走る 列車が
僕らの終着駅 に着く頃

満月の夜に うさぎが 突く餅つきの
美味しい お裾分け を頂いていた

ぼくら 旅立つのだ 夢がある方がいい
そんな 想いに 目が覚め 眠れぬ夜に

作家志望でもない ぼくが 詩に 耽っていた

夏の夜は 虫たちの鳴き声で 寂しさ薄れ
レールの 敷かれなき 人生に感謝致す

人生に 終わりが あることも
平和が 当たり前 ではない ことも

夜眠る 床に 布団がある 幸せも
何もかもが 幼い 子供に

理解する ことも 求めず
ただただ 感謝する 我が祖国

夜の セミが 遠慮がちに 鳴く 不思議
便乗して 鈴虫まで 鳴いている 夜

ぼくは 鳴くという 術を知らぬ生き物ゆえ
詩を書いている そんな気持ちになった

何番星か わからぬ 星を 眺めながら
夜明けに 晴れるかな

そんなことを 考えていたら
夜も 終わりに近づきも 朝とも 言えぬ
暗がりに 浸っていると

セミが 鳴くのを やめていることに気がつく
シャワーも 浴び損ねた 前日に 悔いいる

お気に入りの 歌手の歌も
夜の 静けさという 風情には勝てず
停止ボタンを 押した

闇の 時間に 光が さすまで
一睡もできずに したためる 詩を

惜しみつつも 筆を おくほかない 詩の
行く末を 案じつつ

どんなレールにでも 終わりはあるのだ と
僕らの終着駅が どこにあるのか わからぬまま

朝という 始発駅に 辿り着く
満月はもう 見えずに 星さえ 少なく

うさぎが 残した 餅の 残りに 手を付ける

作家志望でもない ぼくが 作家気取りに
詩を書けば 読む者なくも 愛しき わが詩

夏の夜に と名付けた この詩を
静寂と 穏やかさを くれた セミたちに 捧ごう

夏の夜に



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